10−30分後の雷の発生を予測し、インターネットや携帯電話のメールで利用者に知らせるシステムをNTT環境エネルギー研究所が18日までに開発した。
気象庁の雷注意報などと比べ、1−5キロの狭い範囲で予測できるのが特長。昨年夏に行った実証実験では的中率は約3割だった。同研究所はNTTグループ内の雷対策に利用するとともに、早ければ今年夏にも一般向けの実用化を目指す。
開発したシステムは、レーダーで観測した雨雲のデータを基に、10−30分間の雲の動きを予測。雲の高さや濃さ、大気の状態を過去のデータと比較し、雷を予測する。発生確率が高い場所を地図に記すこともできる。
実証実験で、落雷を予測した場所では約5割で落雷があった。一方、落雷があった場所のうち約5割は予測できていなかった。全体としての的中率は約3割としており、今後改善したいとしている。
情報を受け取った利用者は避難したり、電子機器のコンセントを抜いたりすることで、被害を防ぐことができる。
停電や電子機器の故障など落雷による被害額は年間1000億円を超えるとされ、地球温暖化に伴い落雷の頻度はさらに増加するとの報告もある。