愛知県が衣浦港3号地(武豊町)に整備中の廃棄物最終処分場予定地で、過去に海底地盤の改良工事を請け負った共同企業体(JV)が設計書と異なる資材で工事をしていたことが分かった。処分場整備には追加工事が必要となるため、県はその費用40億円を整備主体の愛知臨海環境整備センター(アセック)へ貸し付けることを盛り込んだ補正予算案を県議会2月定例会に提案する。
県企業庁は臨海工業用地造成のため、2001年4月に大林組のJVに19億円で地盤改良工事を発注。海底に砂を棒状に2500本打ち込む工法で同年10月に完了した。
昨年3月、新たな廃棄物処分場用地として県が県企業庁から64億円で埋め立て権を購入。護岸工事を始めたところ、砂の代わりに鉄鋼スラグが海底に打ち込まれていたことが判明した。
県によると、鉄鋼スラグは砂と異なり、水分を含むと固まる性質があるため、護岸工事の支柱を打ち込む障害になるという。このためスラグ除去などの追加工事が必要で、県は「10年度から」としていた同処分場の供用開始時期を「10年度中」に変更し、廃棄物の受け入れ時期が遅れる可能性を示した。県と県企業庁は「JV側の施工ミス」と判断しており、今後、大林組に損害賠償を請求する方針。大林組は中日新聞の取材に対し「当社JVが施工したが、個別の工事についてのコメントは控える」としている。
(中日新聞)