振り込め詐欺対策を進めている警視庁は18日、捜査員が客を装う「おびき出し作戦」で、携帯電話に内蔵され個人情報が記録されている「SIM(シム)カード」の売買を持ち掛けた女ら2人を逮捕したと発表した。
携帯電話不正利用防止法違反(誘引)容疑で6日に逮捕されたのは、東京都中野区中央、無職鈴木玲子容疑者(40)。逮捕容疑は昨年12月、ネットの掲示板に「飛ばし携帯売ります」などと書き込み、シムカードなどを不正に売ろうとした疑い。
シムカードは振り込め詐欺に悪用されることが多く、同法はシムカードの不正譲渡禁止を新たに盛り込んで昨年12月に改正された。適用は初めてという。
捜査2課によると、鈴木容疑者は携帯電話や口座などの売買をインターネットで持ち掛ける「道具屋」で、捜査員が携帯メールで連絡を取り合い、JR渋谷駅近くの喫茶店におびき出した。
また、捜査2課は10日、口座売買をネット掲示板で持ち掛けたとして、犯罪収益移転防止法違反の疑いで無職菱田宏之(容疑者(54)=千葉県柏市増尾=を逮捕。捜査員が購入するように見せかけ、新宿区の路上におびき出した。