自民県連に怒り、逆風懸念も　「擁護できない」ばっさり（中国新聞）

2009年02月18日(水) 09時14分

　中川昭一財務相が十七日夜、辞任した。本来なら、支持率低下が止まらない麻生内閣を支えなければならない重要閣僚。「あれでは擁護できない」「厳しい衆院選になる」。自民党の各県連には怒りと選挙の逆風を懸念する声も出た。

　辞任について、宮城県連の柏佑整かしわ・すけなり幹事長は「仕方ないね。（ろれつが回らなかった）会見での様子はちょっとひどすぎた。あれでは擁護できない」とばっさり。愛知県連役員の加藤南かとう・みなみ県議は「残念というより至極当然のこと。麻生内閣がこんな体たらくでは解散などできない」と切り捨てた。

　中川氏の地元、北海道連の丸岩公充まるいわ・きみあつ幹事長は「百年に一度の経済危機の中で財務相になり、さすがだと思っていた。極めて残念」と無念さを隠さない。北海道は民主党が選挙に強いだけに、候補者からも自民党の「顔」として期待されていた。丸岩氏は「さらに厳しい戦いになるのは覚悟している」。

　神奈川県連幹部の県議は「辞任は自民党への影響を最小限にすることを考えての判断だろう」と解説した。

　麻生首相のおひざ元の福岡県連。新宮松比古しんぐう・まつひこ会長は「（中川氏の）自覚の足りない姿は、政治家として命取り。自民党全員がそうだと思われても困る」と懸念する。「首相を支援していくことに変わりはない。この逆風に耐えなければ」と力を込めて見せた。

　「全世界に酔っぱらっているとの印象を与え、辞任はやむを得ない」とこぼしたのは、大阪府連元幹事長の横倉廉幸よこくら・やすゆき府議。「いくら好きとはいえ、大事な国際会議に行っているのに深酒をするとは思えない」。薬の影響を強調する中川氏の説明に理解を示した。