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2009年02月18日(水) 13時37分

過失致死に無罪判決 岐阜地裁 次世紀ファーム、中1死亡東京新聞

 岐阜県恵那市にある宗教団体「真光元(まこも)神社」の関連施設「次世紀ファーム研究所」で2005年、宿泊中の神奈川県の中学1年原田雅子さん=当時(12)=が糖尿病性昏睡(こんすい)で死亡した事件で、過失致死罪と薬事法違反の罪に問われた同団体信者の医薬品販売業天羽(あまは)昌子被告(49)=同県逗子市=の判決公判が18日、岐阜地裁であった。田辺三保子裁判官は過失致死罪を無罪とし、薬事法違反で懲役1年執行猶予3年、罰金50万円(求刑懲役1年6月、罰金100万円)を言い渡した。

 公判では、看護師資格を持つ天羽被告は、原田さんの容体悪化を研究所から電話で連絡を受けたが、専門医の治療を受けるように指導しなかった点が過失にあたるかをめぐり、検察と弁護側の主張が対立していた。田辺裁判官は弁護側の主張通り「連絡を受けた際に、医療機関への搬送などを指示したとしても確実に救命できたとは言えない」と指摘した。

 起訴状などでは、天羽被告は原田さんがインスリン投与を中断すると生命に危険があると予見できたが、適切な指示をせず死亡させたとされた。また、天羽被告は同研究所で考案された健康食品を医薬品の承認を得ていないのに05年3−7月、東京都などの3人に販売したとされる薬事法違反は、起訴内容を認めていた。

 裁判後、天羽被告弁護人の●田弘幸弁護士は「裁判所が過失がないと認めたことは満足している。検察は真摯(しんし)に受け止め、控訴しないでほしい」とした。

 【次世紀ファーム事件】 2005年7月、健康補助食品を研究する岐阜県恵那市の「次世紀ファーム研究所」に滞在中の神奈川県の中学1年女子生徒が糖尿病性昏睡で死亡。生徒の母親が天羽昌子被告(49)から「研究所に行けば病気は治る」と勧められ、インスリンを持たないまま滞在、3日後に死亡したとされる。岐阜県警は適切な処置を取らなかったとして過失致死容疑で天羽被告を書類送検。天羽被告はその後、在宅起訴された。

(中日新聞)

※●は浜の旧字

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021890110518.html