敷金・礼金が不要な「ゼロゼロ物件」と言われる賃貸住宅に入居した福岡市の30代男性が、未明にわたる家賃の強引な取り立てを受けたとして、家賃保証会社「フォーシーズ」(東京)と社員3人に100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、福岡簡裁(野瀬真司裁判官)は18日までに、同社に慰謝料5万円の支払いを命じた。
「ゼロゼロ物件」をめぐっては、家賃の連帯保証を請け負う保証会社が強引な取り立てに走るなどのトラブルが相次いでいる。「全国追い出し屋対策会議」(大阪市)によると、家賃の取り立てに関する保証会社への賠償命令は初めて。
判決理由で野瀬裁判官は、午前0時を過ぎた取り立ては「生活の平穏を害して精神的苦痛を与えた」と指摘。「社員に脅迫を受け監禁された」とする男性側の主張は「犯罪に相当する強引な取り立てがあったとは認められない」と退けた。
判決によると、男性は月額約5万円の家賃を3カ月間滞納したとして、2007年8月31日午後9時ごろから翌午前3時まで、約6時間にわたって社員3人から取り立てを受けた。