地球から約650光年離れた若い恒星の周りを囲むちりやガスの円盤の表面に、氷が存在していることを国立天文台などの研究チームが米ハワイ島のすばる望遠鏡で確認し、17日発表した。
こうした氷は将来、ちりが固まって惑星ができたときに海水の材料となる可能性もあるという。これまでも、ちりの円盤や周辺部に氷があるのではないかといわれていたが、観測によって存在する領域を確認したのは初めてとしている。
本田充彦・神奈川大特別助手は「『氷はある』という基本的な事実をおさえることができた。今後は、恒星からどのぐらい遠ざかると水が氷として存在できるのか、境界を特定し、惑星形成への影響を調べたい」と話している。
研究チームが調べた恒星は、質量が太陽の約2倍。すばる望遠鏡の装置を使って、中心で明るく輝く恒星を隠すことで、ちりやガスの円盤に反射される赤外線を観測した。
すると、恒星から遠い円盤の外側では、氷の分子が吸収する特定の波長の赤外線が弱いことが判明。氷があると結論づけたという。