元中部経済産業局長の細川昌彦中京大教授(54)は、4月の名古屋市長選に立候補する決意を固めた。政党が前面に出ない「無党派」選挙を展開し、幅広い支持を集めたいとしている。18日に会見して正式に表明する。
市議団が擁立を目指していた自民党は細川氏の意向を受け、「推薦」でなく「支持」にとどめる見通し。公明党も同調するとみられる。民主は2候補の一本化への準備を進めており、28年ぶりに多党相乗り選挙が崩れることが確定した。
細川氏の陣営は、財界や医師会、歯科医師会などの団体、市民団体のほか、民主党にも支援を呼び掛ける。
「市民の支援が広がれば(出馬したい)」としていた細川氏には、中小企業の経営者や学生のほか、同市を中心とする官財界の親睦(しんぼく)団体「丸八会」の盛田和昭会長や、名古屋城本丸御殿を復元する市民運動を続ける造形作家の夢童(むどう)由里子氏ら、財界や文化人からも支援団体を立ち上げる動きが進んでいる。
細川氏は17日夜、本紙の取材に「この地方の潜在能力は極めて高い。人と人、企業と企業のつながり力を再生し、より活性化させたい。市長は直接選挙で選ばれる。政党でなく、市民主導の選挙で挑む」と語った。
細川氏は大阪市出身。東京大法学部を卒業後、旧通産省入り。2003年の中部経済産業局長時代に、名古屋を核として海外からの投資を呼び込む「グレーター・ナゴヤ構想」を提唱した。06年の退官後、日本鉄鋼連盟常務理事を経て、昨年9月から中京大経済学部教授。
同市長選には、共産党などが推薦する太田義郎・愛知県商工団体連合会長(65)が出馬を表明。民主党の市議団が推す伊藤邦彦弁護士(55)と、河村たかし衆院議員(60)=愛知1区=も意欲を示す。
(中日新聞)