中川昭一財務相の記者会見での一問一答は次の通り。
【十七日昼】
「ご迷惑をかけ深くおわびする。腰や風邪の疲労がたまっていると診断を受けた。国会では二〇〇九年度予算案などの審議が大詰めで、この仕事に全力を挙げて取り組む。予算、関連法案が衆院を通過したならば、けじめとして直ちに辞表を提出したい」
—辞任を決意したのは。
「いろんな方からおしかりを受けた。最終的には今日になって(辞任を)首相に申し上げた」
—なぜこのタイミングで辞任表明なのか。
「記者会見の映像を見た人たち、子どもたちにいろんな印象を与えたのではないか。これに対する責任をとるために判断した」
—予算案の衆院通過まで続投する理由は。
「衆院通過に全力を尽くし、体を張って問題に取り組みたい。首相や国対委員長には直前に意思を伝え、それまで全力を尽くしてやれということだった」
—参院で可決しない段階での辞任はなぜか。
「衆院の通過が最大のポイントだと思う」
【十七日夜】
「午後六時すぎに首相に辞表を提出し、受理された。予算や関連法案を早急に通したいという思いが強かったが、与党からもおしかりをいただき、このままでは一日も早い成立が困難になると考え直した。首相に電話し、『五カ月間、よくやった。体調を万全にして引き続き頑張ってほしい』というありがたい言葉をいただいた」
—首相以外と相談したのは。
「官邸や国対とも連絡を取りながら、対応してきた。いろいろと情報を教えてもらい、最終的に決断した」
—国際会議の記者会見で失態を演じたが。
「国民、政府、国会に大変ご迷惑をおかけしたことは、私自身痛感している」
—予算案などの衆院通過後に辞任するという当初の判断は甘かったのではないか。
「何がベストかということは終わってみないと分からない。予算委員会の様子、数時間の中断、その後の審議などを実際に肌で感じ、こういう判断をした」
—与謝野馨氏が後任に就くが。
「私よりはるかに優秀な方で、非常に心強い」
—酒との付き合いは今後どうするか。
「いろいろマスコミで書かれるのかもしれないが、十四日の(G7会見での)出来事は直接は(酒と)関係ない。今の体調から言えば、とてもお酒を飲む気分にはなれないというのが率直なところだ」
—首相の片腕とされてきたが。
「難局を乗り切るため、違う形で麻生首相と内閣を私なりに支えていきたい」
—G7初日の深夜に飲酒したとのうわさがある。そのときの体調は。
「親しい人たちと飲んだ。ジントニックを三杯か四杯飲んだと思う。風邪気味だったし腰も痛かった」
—翌日の会議に影響はなかったのか。
「二日目の会議は午前八時すぎに始まったが、日本の立場で積極的に発言し、会議の成功に貢献したと考えている」