【ベルリン18日共同】ドイツ政府は18日、金融危機の深刻化で多額の不良資産を抱え経営が悪化している民間金融機関に対して、国有化を可能とする金融安定化法の改正案を閣議決定した。議会の承認を得て、早期に国有化に着手する方針だ。
不動産金融大手ハイポ・リアル・エステートの国有化も視野に入れているとみられ、国内で広がる金融不安を沈静化する狙いがある。
同国ではこれまで、公的資金による資本注入や政府の信用保証供与で金融機関を救済してきた。しかし、危機拡大による業績悪化で貸し渋りが強まるなど悪循環が続いている。
このためドイツ政府は、破綻すれば影響の大きい大手銀行などを国有化することもやむを得ないと判断。改正案では「最後の手段」として国有化を認める。
ドイツ財務省は「国内の金融機関に対する信用の基礎となる」と強調した。