【ニューヨーク18日共同】米政府による緊急融資を受けた自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは17日に経営再建計画を提出したが、自動車不況の出口は見えず、労働組合との交渉が決着していないなど火種が多い。経営破綻の恐れも消えず、両社の存亡は再建計画を審査するオバマ政権の判断に委ねられた。
「なぜ166億ドル(約1兆5000億円)も増えるのか」。同日の記者会見では、巨額の追加融資を要請したGMに対し、厳しい質問が飛んだ。
両社は「米市場の極端な不振」(ワゴナーGM会長)を強調。1月の米新車販売は市場全体で前年同月比約37%減と低迷しており「最悪のシナリオ」(同)に陥っていると主張した。
米非営利組織の自動車研究センターのコール所長は「景気と信用不安の悪化に左右されるため、今後いくら必要になるか分からない」と、支援融資に歯止めがかからなくなる恐れを指摘する。
一方、全米自動車労働組合(UAW)は「最大の難関」とされた医療費の負担をめぐり合意を保留、交渉の行方は「楽観できない」(コール所長)。負債圧縮に関する債権者との交渉も最終決着していない。