たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」によるたばこの増販効果や外食を控えて家庭で食事をする「内食」傾向を背景にして業績が好調なコンビニチェーン各社は、地方、海外への出店の加速や、生鮮食品を扱う店舗への業態転換など攻めの姿勢を強めている。同じ小売業でも主力の高額商品の不振で店舗閉鎖が相次ぐ百貨店とは対照的だが、「手元資金に余裕がある間に出店していきたい」(大手コンビニ幹部)との思惑もある。
既に国内に約1万2400店の店舗網を持つコンビニ最大手のセブン−イレブン・ジャパンは、1月に富山、福井の北陸地方に初出店した。今後3年間に北陸3県で計200店の出店を計画しており、東京、大阪などの都心部も「まだ出店の余地はある」(セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長)と攻勢をかける。