日本鉄鋼連盟が18日発表した1月の粗鋼生産量は、自動車向け需要低迷で前年同月比37・8%減の637万トンとなり、下落率は記録が残っている1949年1月以降で最大となった昨年12月の実績(27・8%減)を超え、過去最悪を2カ月連続で更新した。生産量は69年2月の577万3000トン以来となる40年ぶりの低水準に落ち込み、「鉄冷え」の出口は見えない。
粗鋼生産量の急減は、世界同時不況を背景とした自動車メーカーの生産の急速な落ち込みにより、高炉各社が粗鋼の減産を強めていることが大きく響いた。
自動車のほか電機、建設機械向けなどの好調から2006年10月以降、1000万トン前後の高水準で推移してきたが、米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)の影響が実体経済に広がった昨年10月から減少に転じた。
種類別では、自動車などに使う特殊鋼は47・6%減の119万2000トン、幅広い用途に使われる普通鋼が35・1%減の517万8000トンだった。
鉄連は昨年12月の生産量の前年同月比増減率を、速報値段階の27・9%減から27・8%減に修正した。