【プリゴロドノエ(ロシア極東サハリン州)18日共同】ロシア極東・サハリン島南部プリゴロドノエで18日、ロシア初の液化天然ガス(LNG)加工施設の稼働式典が開かれた。生産されるLNGの約6割は日本向けで、式典にはメドベージェフ大統領、麻生太郎首相がそろって出席。麻生首相は「ロシアがアジア太平洋地域における建設的なパートナーになる歴史が始まった」とあいさつし、両国関係の構築には領土問題の解決に向けた交渉を前進させるべきだと訴えた。
ロシアは「日ロ両国がエネルギー協力を拡大する重要な契機」(ドゥボルコビッチ大統領補佐官)と強調。世界一のガス埋蔵量を誇りながら、パイプラインによる欧州向け輸出に縛られてきたロシアにとって、アジア太平洋地域のLNG市場に乗り出す意義も大きい。
三井物産と三菱商事が参加し、サハリン島北東部の沖合で進められてきたエネルギー開発事業「サハリン2」で、採掘したガスを約800キロのパイプラインで不凍港まで運び、日本の技術を導入した施設でLNGに加工。
生産量は年約960万トンで、東京電力など日本企業9社のほか、韓国や米国に20年前後の長期契約で3月末から輸出。