【北京18日共同】英仏連合軍が1860年、第2次アヘン戦争に伴う北京侵攻で清朝の離宮、円明園から略奪したブロンズ製のネズミとウサギの頭部像が23−25日にパリで競売にかけられることになり、中国の官民を挙げて競売停止と返還を求める愛国運動が起きている。
有志の弁護士ら約80人が2月上旬、競売会社クリスティーズに競売停止を求める書簡を送付。クリスティーズ側はこれに対し「合法的な所有を証明する書類がある」と予定通り競売を実施する意向を表明すると、中国外務省の姜瑜副報道局長は「中国に所有権があるのは疑いの余地なく、競売は中国人の感情を傷つける」と批判した。
弁護士らはフランスで、クリスティーズなどを相手に訴訟を起こす準備中。17日には円明園の管理当局も競売や買い戻しに反対し、返還を求めるコメントを発表。中国では円明園の略奪品は「屈辱の歴史」の象徴的文化財で愛国心が盛り上がってきた。
2つの動物像は昨年6月に死去したフランスの服飾デザイナー、イブ・サンローラン氏が所有していた。