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2009年02月18日(水) 20時01分

塩化ビニール管でカルテル、積水化学と三菱樹脂に排除命令読売新聞

 水道管などに使われる塩化ビニール管の販売を巡り価格カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会は18日、「積水化学工業」(大阪市北区)と「三菱樹脂」(東京都中央区)に独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除措置命令を出し、積水化学工業に過去最大となる79億6532万円、三菱樹脂に37億2137万円の課徴金納付をそれぞれ命じた。

 カルテルにはほかにクボタ(大阪市浪速区)とシーアイ化成(東京都中央区)、両社から2005年に塩ビ管事業の譲渡を受けたクボタシーアイ(堺市西区)、アロン化成(東京都品川区)の計4社も加わったが、クボタシーアイは自主的に申告、アロン化成は05年にカルテルから抜けたため、処分を免れた。

 公取委によると、各社は2004年1月〜06年5月に計4回、事業部長クラスが都内の飲食店やクボタシーアイ東京本社の応接室などで会合を開くなどして、塩ビ管や接続部分をそれぞれ5〜15%以上値上げすることで合意した。事業部長クラスの会合は、10年以上前から定期的に続けられていたほか、業界内では、自社製品を値下げして販売を拡大する行為を「切込み」と称し、値下げした社に抗議することで価格を維持しようとする慣行があったという。

 公取委では、こうした業界体質に加え、原油価格高騰で原材料のナフサの価格が03〜06年の間にほぼ2倍に、塩ビ樹脂価格も1・6倍になったことが、カルテルにつながったとみている。

 積水化学工業は「事態を厳粛に受け止め、再発防止に取り組む」、三菱樹脂は「命令を厳粛に受け止め、審判請求を含め今後の対応を決定する」とコメントしている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090218-OYT1T00635.htm