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2009年02月18日(水) 03時10分

大賀容疑者側、所得隠し34億円…キヤノン工事巡り読売新聞

 キヤノンの工場建設を巡る法人税法違反事件で、逮捕された大賀規久容疑者(65)の経営するコンサルタント会社「大光」(大分市)と内装工事会社「匠」(東京都千代田区)の所得隠し額は、それぞれ約20億円と約4億円に上ることがわかった。

 建設関連会社「ライトブラック」(大分市)は約9億7600万円を隠し、法人税約2億9200万円を脱税したとしてすでに立件されているため、グループ3社の所得隠し額は計約34億円、脱税額は計約10億円に上る。東京地検特捜部は大光と匠についても法人税法違反容疑で立件する方針。

 大賀容疑者は「裏金を受け取ったことはない」などと話していたが、関係者によると、脱税容疑を認める供述を始めているという。

 関係者によると、大賀容疑者は2003〜06年、大光など3社を受け皿に、計4事業所の工事受注を口利きした見返りとして、鹿島などから計45億円を超すコンサルタント料や裏金を受領。架空発注するなどして約34億円の所得を隠し、ここから架空発注先を用意した大阪市のコンサルタント会社社長・難波英雄容疑者(61)に2億円以上の謝礼などを支払ったという。

 鹿島からの裏金のうちダミー会社を介さずに大賀容疑者に直接手渡しされた5億円について、特捜部などは中核会社である大光の所得と判断したとみられる。特捜部と東京国税局は17日、大光や大分市の大賀容疑者の自宅などとともに、ライトブラックの脱税事件で鹿島の架空発注先となったとみられる造園会社「内山緑地建設」の大分支店(大分県別府市)なども捜索した。新たに元大分県警警部補で、大賀容疑者の経営する警備会社に勤めていた川端智幸容疑者(65)(大分市)を同法違反容疑で逮捕。逮捕者は計13人になった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T01231.htm