10年連続で年間3万人超を記録している国内の自殺者数について、警察庁は、今年から月ごとのデータを翌月に公表していく方針を決めた。自殺には実態に即したきめ細かな予防策が必要とされるが、これまで同庁の公表は年1回で、直近の自殺者数は分からなかった。
しかし、昨秋からの経済環境の悪化で、自殺者数が急増している恐れがあるほか、関係団体からも公表頻度を高めるよう重ねて要請があったため、統計方法を変更し、対策に役立ててもらうことにした。
同庁によると、毎月公表するのは、都道府県別と男女別の数字。早ければ今月下旬から来月初めには1月分のデータを公表する。
年齢別や職業、動機などの詳細データは、分析をした上でこれまで通り年1回の公表時にまとめるという。
自殺者数についてはこれまで、同庁が毎年6月ごろに前年分を発表していた。しかし、直近の自殺者数が分からず、民間団体などから「半年遅れのデータでは効果的な自殺対策は取れない」との声が相次ぎ、国が設置する「自殺対策推進会議」でもたびたび議題に上ってきた。
同庁によると2007年の全国の自殺者は前年より2・9%多い3万3093人。1978年に統計を取り始めてから2番目に多く、98年以来、10年連続で3万人を上回った。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00554.htm