神奈川県鎌倉市の市医師会が運営する産科診療所「ティアラかまくら」(雨森(あめのもり)良彦所長)が同市小町に開設され、17日、診療を始めた。
医師会立の産科診療所は全国的に珍しく、産科医不足が各地で深刻となっている中、日本医師会は「身近な所で産みたいという要望に応えられる点で評価できる」としている。
診療所は旧民間デイケア施設を借りて改修し、個室5部屋と3人室1部屋の計8床ある。産科医は3人で、同市医師会メンバーの人脈で確保した。助産師9人、看護師3人と診療にあたり、夜間も医師1人と助産師ら2人が詰める。
同市では20年前に10か所以上あった産科施設が徐々に減少し、現在は1病院。年間1300人弱の新生児のうち約7割が市外で出産しており、「市内でお産をしたい」という声が高まっていた。市は財政支援し、建物改修費1億7600万円と、年間2520万円の施設賃借料などを負担する。
今年10月までの出産予約がすでに約100件入っているといい、2人目の妊娠で診察に訪れた市内の女性(31)は「1人目は実家のある福島県で出産した。今度は自宅の近くで出産できる」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00566.htm