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2009年02月17日(火) 01時16分

大阪港トンネル回数券2億円分不明、3セク元社員横流しか読売新聞

所在不明のものと同じ種類の回数券

 大阪市の第3セクター「大阪港トランスポートシステム」は16日、市から管理委託されている「大阪港咲洲(さきしま)トンネル」の磁気カード型の通行回数券約1万1000枚(2億2800万円相当)が所在不明になったと発表した。

 元社員の男性が着服、横流しした疑いが強いとして、同社は業務上横領容疑で大阪府警に告訴する方針。

 同社によると、回数券は1枚2000〜3万円で、1997年の開通以来、約43万枚を販売。昨年9月の市の定期監査で、販売窓口3か所のうち1か所で、帳簿上の販売実績と在庫数が合わないことが発覚した。

 この窓口では、元社員の男性が開通当時から事実上1人で回数券を管理。社内調査に対し、男性は不正への関与を否定したが、その後、体調不良を理由に依願退職したという。

 一方、2005年度以降は回数券の利用実績が販売実績を上回る不自然な状態が続いていたことも判明。その差は昨年末までに延べ12万台分に上るが、同社はデータを照合せず、横流しの可能性に気づかなかったという。

 回数券が転売されたのか、現金化されたのかなどは不明で、同社は「金券ショップなどに大量に出回った形跡はない」としている。記者会見した岸野和雄社長は「確認が不十分だった」と謝罪した。

 トンネルは内陸部と人工島・咲洲を結ぶ約2・2キロで、片道料金は普通車200円、大型車400円。市は、同社に未収分全額の支払いを求めるとともに、委託契約を解除する方針。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00083.htm