東京都新宿区信濃町の「帝都典礼ビル」で16日、同ビルのエレベーター内の地下1階床に男性が転落した事故で、全身を強く打って重体になっていた男性が同日夜、死亡したと警視庁四谷署が発表した。
エレベーターの1階扉には安全装置の鍵がかかっており、かごが到達しないと扉が開かない仕組みになっていたことから、同署で鍵が外れた原因について詳しく調べている。
同署幹部らによると、死亡したのは、近くのそば店主、塚田敏雄さん(74)。塚田さんは、そばの配達に来て、同ビル1階からエレベーターに乗ろうとスライド式の手動扉(横1・4メートル、高さ2・1メートル)を開け、約4メートル下の床に転落したとみられている。事故当時、かごは5階で停止したままだった。
エレベーターを製造し、保守点検も行っている「三精輸送機」(本社・大阪府)などによると、同エレベーターは1964年に運用開始。扉は通常時、安全装置が働いて鍵がかかっており、かごが到達すると自動で解錠される。今月4日の点検では異常がなかったという。
また、事故後に現場の調査を行った新宿区建築指導課によると、扉の鍵にはこじ開けたような損傷はなかったという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090217-OYT1T00038.htm