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2009年02月17日(火) 21時10分

中川財務相が辞任、G7後の醜態会見で引責読売新聞

麻生首相へ辞表を提出後、記者の質問に答える中川財務相(17日午後6時25分、首相官邸で)=田中成浩撮影
参院に提出された問責決議案のコピーを見る中川財務相。右は麻生首相(17日午後3時33分、国会で)=林陽一撮影

 中川昭一財務・金融相(55)(衆院北海道11区)は17日夜、麻生首相に辞表を提出し、受理された。

 先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後の記者会見でろれつが回らなかった問題で混乱を招いた責任を取ったとしている。

 中川氏は同日昼、いったん2009年度予算案と関連法案の衆院通過後に辞任する意向を表明したが、野党は同日午後、中川氏の問責決議案を参院に提出し、即時辞任を求めていた。中川氏の後任は与謝野経済財政相が兼務する。景気回復が政権の最優先課題であるにもかかわらず、経済運営の要である財務相が辞任に追い込まれたことに、国内外から厳しい視線が注がれており、麻生政権はいっそう窮地に追い込まれた。野党は首相の任命責任を厳しく追及する構えだ。

 首相は17日夜、中川氏の辞任について「体調などを本人が熟慮したうえでの決断だ。尊重したい」と述べた。また、「仕事に関しては優秀な人を選んだ。ただ、こういった形になったことを考えて任命責任があるというのであれば、そう思う」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 中川氏は13日から2日間、ローマで開かれたG7に出席。14日の記者会見では眠そうで口調がはっきりせず、日本の政策金利を言い間違える場面もあった。中川氏は風邪薬の副作用などと説明したが、野党は「飲酒が原因だ」などとして辞任を要求した。

 中川氏の問題や、その後の対応を巡っては、公明党を中心に与党からも、事態の収拾を図るため、中川氏の早期辞任を求める声が強まり、中川氏も受け入れざるを得なかった。

 中川氏は首相に辞表提出後、首相官邸で記者団に、「きょうの(衆院)予算委員会での(与党)単独審議という状況を見て、自分が辞めた方が国家のためになると判断した」と語った。

 野党は中川氏の辞任を受け、18日に問責決議案を撤回する方針だ。

 麻生内閣での閣僚辞任は、日教組批判発言などの責任を取った中山成彬・前国土交通相に続き、2人目。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090217-OYT1T00726.htm