中川財務・金融相が、東京・霞が関の財務省3階の記者会見室に姿を見せたのは、17日午後0時35分すぎ。
中川財務・金融相はゆっくりイスに腰をかけると、「改めて今回の件についておわびをしたい」と切り出し、用意していた紙に目を落としながら、「自分の健康管理の不注意から、国民の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くおわびします」などと辞意の理由を話し始めた。
会見場に詰めかけた報道陣は約100人。フラッシュがたかれる中、中川財務・金融相は時折、悔しそうな表情を見せ、なぜ辞任が今すぐではなく、来年度予算の衆院通過後なのかという質問には「景気回復のために、与えられている仕事を全うすることが大事だと判断した」。「自分の体調管理が出来ない人が国会審議を全う出来るのか」と追及されても、「病院に入院して体力を温存し、審議に臨みたい」と予算成立にこだわった。
◆財務相の会見要旨◆
▽病院で診察を受け、疲労がたまっているという診断を受けた。関係方面に多大なご迷惑をかけたことをおわびする。景気回復のために総理の指示の下、全力を傾注してきた。国会で2008年度第2次補正予算案、関連法案、09年度予算、関連法案の審議が大詰めを迎えている。私としては全力を挙げて取り組むと同時に、09年度予算案、関連法案が衆議院で通過すれば、私自身のけじめとして直ちに辞表を提出したい。残された日々の職務に全力を尽くす決意だ。一日も早い景気回復の実現に向けて努力したい。
▽(ただちに辞任しない理由は)与えられた緊急の課題を全うすることも大事だと判断した。予算審議に全力を尽くす。
▽ローマでの(G7閉幕後の)記者会見の後、いろいろな方から意見を頂き、最終的には今日、首相らに申し上げた。首相からは当面の懸案課題に全力を尽くすようにという指示があった。景気回復が最優先であり、それに全力というのが我々に与えられた課題だ。
▽(辞任理由は、健康と記者会見問題の)両方だ。医師に診てもらい、薬を併用したのが原因だという診断だった。今後は病院でゆっくり休みながら、仕事に傾注する。すぐ手術ということではないが、病院にいたほうが不摂生ではない。できれば今日から入院する。
▽ローマでの記者会見は、国民の代表である国会議員、閣僚として、映像を見た人、特に子供たちから見て、相当疲労がたまり、いろいろな印象を国民に与えたのではないかと判断した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090217-OYT1T00545.htm