福岡市が16日に発表した2009年度当初予算案の一般会計は6922億3700万円で、前年度当初比4・3%増となった。5年ぶりの増額で、未曽有の経済危機に対応するための中小企業支援や雇用創出に取り組む。借金にあたる市債の発行総額も591億円と6年ぶりの増額となる。
■歳入
市税では、人口増や新築住宅の増加で個人市民税や固定資産税がいずれも微増したが、景気悪化の影響を受けた法人市民税が前年度より79億円(18%)も大幅に減収し、全体でも49億円(1・8%)減の約2690億円となった。
このため、市債のうち、利息を含めて国が地方交付税で返済する「臨時財政対策債」を、今年度より70億円以上多い202億円発行。市単独でも前年度とほぼ同額となる389億円発行する。市債発行額の歳入全体に占める割合(市債依存度)は8・6%で前年度比0・6%増となった。
地方交付税は同9億円増の404億円だった。
■歳出
性質別では、景気悪化の影響により生活保護などの扶助費が同35億円増、貸付金も金融機関への預託額が増えたことから同222億円増となった。一方で、人件費は職員数の減少により同5億円減だった。
目的別でも、生活保護費の増加の影響により、保健福祉費が同32億円増の1383億円。教育費も、学校給食費の公会計化に向けたシステム構築や耐震化の促進などのため約1割増の502億円となった。
一方、土木費や都市計画費は、香椎副都心土地区画整理事業など、大型事業の進展により、いずれも減少した。
■組織再編
2005年度から10年度までに職員を約500人削減する市の「集中改革プラン」に基づき、採用を抑制するなどして職員を101人減らし1万366人とする。
7区役所に「子育て支援課」を設置するのに伴い、保育士など計6人を増員。不登校の児童・生徒の支援や中学1年への少人数学級導入のため、非常勤講師など54人を採用する。
また、地球温暖化やヒートアイランド現象に対応した施策実施のため、環境局に「温暖化対策部」を新設する。
市立病院の整備では、保健福祉局の市立病院担当として5人を増やすほか、市立こども病院・感染症センターに「周産期医療企画部長」を設ける。
一方、地下鉄や学校事務、外郭団体などで減員を行う。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090216-OYT8T01123.htm