大牟田市が16日、同市上官町の指定暴力団九州誠道会本部事務所前の空きビルに設置した暴力団追放拠点「安心安全ステーション」。警察官や市職員の詰め所、防犯教室、防犯相談などに利用される。あえて暴力団事務所の正面に防犯拠点を据えることで、市は暴力追放運動への意気込みを示した。(大田裕一郎)
大牟田柳川信用金庫から無償で貸与を受けたビルには、1階に警察官詰め所、2階に市安心安全まちづくり推進協議会事務局を兼ねる市安心安全課の別室が入る。
16日の開所式には大牟田署の松永康行署長も出席。「詰め所を核とし、多くのパトカーや署員を巡回させて暴力団の動きを封じ込める」と力を込めた。
ステーションについては、地元住民が昨年10月、誠道会と指定暴力団道仁会(本部・久留米市)との抗争の長期化を受け、2745人分の署名を添えて防犯拠点として活用するよう市などに要望して実現した。
誠道会の本部事務所から約50メートルの距離にある上官小では、一連の暴力団抗争で2年以上にわたって通学路の変更を余儀なくされており、毎日、登下校を見守っている保護者や防犯ボランティアの不安と疲労はピークに達している。
署名活動に取り組んだ上官校区町内公民館連絡協議会の落合敏也会長(67)は「安心の第一歩で、子どもたちの通学のことを考えても心強い。使い道を検討し、地元としても有効に利用していきたい」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090216-OYT8T01104.htm