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2009年02月17日(火) 00時00分

諫早湾訴訟 長崎地裁、論点を提示…国側が初めて意見陳述読売新聞

 有明海の漁業不振は国営諫早湾干拓事業が原因として、太良町と長崎県諫早市小長井町の漁業者41人が国を相手取り、潮受け堤防排水門の常時開門や総額約2億4800万円の損害賠償などを求めた訴訟の第5回口頭弁論が16日、長崎地裁(須田啓之裁判長)であった。弁論終了後の進行協議で、同地裁は双方の主張などを基に論点を提示した。

 地裁が示した論点は、〈1〉開門請求の根拠となる損害の有無〈2〉潮受け堤防建設と漁業被害との因果関係〈3〉事業の違法性の是非——など。改めて原告、国側双方で内容を検討する。

 原告側の馬奈木昭雄弁護士は「論点整理により詰めた議論が行われる。早期開門を実現させたい」と語った。一方、国側は「判決に向けた論点整理だと認識している。開門に向けた協議はありえない」とした。

 この日の口頭弁論で、国側は初めて意見陳述し、「干拓地の営農者だけでなく、諫早市民ら不特定多数の人が将来にわたり、防災機能や優良農地の造成など様々な効果を享受する。一部の関係者と開門に向けた協議に応じることはできない」などと主張した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20090216-OYT8T01183.htm