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2009年02月17日(火) 00時00分

元プロ競輪選手 鹿町工高自転車競技部で指導 読売新聞

部員を指導する豊岡さん(右)

 鹿町町の県立鹿町工高(田中正道校長、467人)で、元プロ競輪選手の豊岡弘さん(40)(佐世保市)が、県内唯一の自転車競技部の副顧問として指導にあたっている。2007年4月に同校に着任して創部したばかりだが、豊岡さんは「全国一の実力校に育てる」と意気込んでいる。

 豊岡さんは佐世保市出身。父の勧めもあって12歳で自転車競技を始め、当時県内で唯一の西海学園高自転車競技部(2002年に廃部)に入部した。早稲田大学へ進学し、在学中の88年、ソウル五輪1000メートルタイムトライアルに日本代表として出場。卒業後、23歳でプロデビューし、07年2月に38歳で引退するまで、15年間で通算167勝を上げた。

 高校教師だった父へのあこがれもあり、大学で教員免許を取得していた豊岡さんは、「教え子たちをインターハイで優勝させたい」と、引退を決意した06年10月に県の教員採用試験を受け、合格。体育教諭として着任した同校では、自転車競技で国体出場の経験もある同校の馬場秀朋教諭(36)を顧問に1年3人、3年1人の初心者ばかり計4人で、自転車競技部をスタートさせた。

 豊岡さんは、こぐ力を効率よくペダルに伝えるフォームや自転車の手入れの仕方なども指導。昨年夏には3年生1人が初の全国高校総体出場を果たした。ただ、結果はリタイアと、「まだまだレベルは低い」と満足していない。現在部員は1、2年生計8人。今冬は鹿町町の公道などを毎日40〜200キロ走り込ませた。「みんな指導してきたフォームが体に染み着いてきた。夏は期待できそう」と手応えを感じている。

 豊岡さんは「野球やサッカーより競技人口が少ない分、日本一になれるチャンスも十分あるし、競輪というプロも目指せる競技。どんどん選手を育ててメジャーな競技にしていきたい」と力強く語った。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20090216-OYT8T01131.htm