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2009年02月17日(火) 00時00分

露伴に学ぶ子育て術読売新聞

 明治から昭和にかけて活躍した小説家の幸田露伴(1867〜1947年)のしつけ術をテーマにした新書「幸田家のしつけ」(平凡社、740円税別)が出版された。

 著者で元読売新聞記者の橋本敏男さんは「毅然としながら、押しつけがましくなく子どもに接する父親の姿が、現代でも共感を呼ぶ」と話している。

 露伴は、娘で小説家の文(1904〜90年)を厳しくしつけたことで知られる。文の生母は若くして亡くなり、義母は家事が苦手だったため、露伴が掃除や食事の作法、身だしなみ、言葉遣いなどを文に教え込んだ。

 そうした露伴のしつけに対し、文は「父の教えたものは技ではなくて、これ渾身ということであった」と記す。そのようなしつけが、何事にも全力で向き合う生き方につながる、と橋本さんは指摘する。

 教え方で特徴的なのが「やらせてみる」「やってみせる」「もう一度やらせてみる」という「三段重ね」。子どものレベルを見極めた上で、自らが手本を見せ、再び子どもに経験を重ねさせるものだ。また、子どもに実地体験させるなど、教え方も工夫をし、子育て中の親にも参考になりそうだ。

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090217ok04.htm