広島県は16日、職員の1日の勤務時間を15分短縮する条例改正案について、18日開会の県議会定例会への提案を見送る方針を決めた。厳しい経済・雇用情勢の中で「県民の理解が得られない」とし、人事委員会勧告や労使合意に従わない異例の判断を下した。
県はこの日、県職員労働組合など関係4労組と交渉し、あらためて条例改正案の提案を見送る意向を説明。労組側は反発したが、県が「環境が整い次第、提案する」などの方針も合わせて示し、最終的に交渉を終えることには同意したという。
時短は昨年10月の人事委勧告に盛り込まれ、同12月に新年度から終業を15分早めることで労使が合意。県内の経済・雇用情勢の悪化が続いたため、県は9日、提案を見送る方向で労組側との交渉を始めていた。