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2009年02月17日(火) 21時32分

首相の任命責任を追及 野党、予算審議通じ中国新聞

 野党は十七日、中川昭一財務相がろれつが回らない状態で記者会見した問題で辞任したことを受け、今後の国会論戦で、麻生太郎首相の任命責任を追及する方針だ。

 民主党の小沢一郎代表は福岡市で記者団に対し、首相がいったんは続投を指示したことを踏まえ「辞めなくてもいいと言ったのも任命権者としておかしい。問題の大きさを考えるべきだ」と批判した。

 野党は、中川財務相が辞任しない限り拒否を決めていた二〇〇九年度予算案などの審議については、与謝野馨経済財政担当相の財務相就任に伴い応じる方針だ。これに関連し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は十七日夜、参院に提出した中川財務相に対する問責決議案を取り下げる考えを示した。

 ただ、衆院予算委員会理事の枝野幸男氏(民主)は「衛藤征士郎予算委員長が職権で決めた分科会など、日程の組み替えは不可欠だ」と指摘。十七日に与党単独で行った公務員制度改革に関する集中審議のやり直しなど、首相出席の予算委の開催を求めていく考えだ。

 民主党国対幹部は「(与謝野氏は)新財務相なのだから、所信表明からやり直すことが必要だ」と述べ、〇九年度予算案の衆院通過が大幅にずれ込むとの見通しを示した。

 野党は任命責任を厳しく追及することを通じ、首相を衆院解散へ追い込むことを狙う。小沢氏は「国民はあきれ果てている。こういう状況になればなおさら、国民の審判を仰ぐ時期に来ている」と強調した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902170388.html