首都圏の小中高生を対象とした新聞切り抜き作品コンクール(東京新聞主催)で、中国新聞を使った東京・錦城高1年杉田奏子さん(16)の作品「ヒロシマ核廃絶ヲ求ム!」が努力賞を受賞した。「生きる希望を捨てなかった街の強さを訴えたかった」と受賞を喜ぶ。
1945年秋、47年夏、2008年夏の爆心地の写真が載った、昨年8月5日付中国新聞の見開き紙面をメーンに据えた。「世界の問題としてとらえたい」とブラジルでの原爆展のニュースや「基準があいまいだと思う」と疑問を抱いた原爆症認定の記事や解説も張った。
昨年8月、広島を旅行した母玲さん(51)が持ち帰った中国新聞で、爆心地の3カットの写真を目にして衝撃を受けた。「ぼろぼろになった街が緑いっぱいに生まれ変わった」。夏休みの課題の題材に決めた。「希望を捨てなかったからこそ、いまの広島があると思う」。制作を機に、さらに学習を深めるつもりだ。
【写真説明】中国新聞を使った作品で努力賞を受賞した杉田さん(撮影・荒木肇)