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2009年02月17日(火) 21時32分

中川氏「多大な迷惑かけた」 青い顔、充血した目で辞意中国新聞

 続投に意欲を見せていた中川昭一財務相が十七日、財務省の記者会見で一転、辞意を表明した。「健康管理の不注意から多大なご迷惑をおかけした」と反省の弁。淡々とした口調に終始したが、青ざめた顔と充血した目が苦悩を物語った。

 先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)という晴れの舞台で起きた“もうろう会見”から四日。中川財務相は「いろんな方からおしかりを受けた」「かなり腰や風邪の疲労がたまっていると診断された。今日にも入院する」と辞任の理由を説明した。

 辞任のタイミングは「(予算案の)衆院通過に全力を尽くしたい。首相もそれまでやれということだった」と語り、この段階では直ちに辞任しないことを強調していた。

 盟友の麻生太郎首相と会談した十六日には「職責をまっとうしたい」と辞任をきっぱりと否定していた。一転したこの日の辞任表明会見ではカメラのフラッシュを浴びながら正面を見据え「百年に一度の経済危機。全力を傾注してきたが…」と未練ものぞかせた。

 記者会見を終えた中川財務相は衆院予算委員会に出席。殺到する報道陣に怒ったような顔を見せ「もう記者会見やったよ」とひと言。麻生首相は険しい表情のまま無言で委員室に入った。

 野党が欠席した、がらんとした委員室で石原伸晃衆院議員が冒頭、心境を尋ねると「国民の皆さまにああいう姿を示したのは誠に申し訳なく、深く反省している」。疲れた顔を見せながら、弱々しい声で答弁した。

 報道陣から体調を尋ねられると「病院に行って、ゆっくり休みたい。風邪もまだ抜けていないので、早く治るよう専念したい」と答え、足早に車に乗り込んだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902170354.html