東京証券取引所第一部上場企業の二〇〇九年三月期決算は、三十業種のうち、電気機器など四業種が赤字で、そのほかの業種も減益となる見通しであることが十七日、新光総合研究所がまとめた業績予想の最終集計で分かった。景気悪化で、輸出関連企業が総崩れとなったほか、内需関連を含めた幅広い業種にも波及。日本経済は「けん引役不在」(新光総研)の厳しい状況に陥っている。
経常利益の総額は前期比60・8%減と、記録のある一九七六年以降で最大の落ち込み。金額にして約二十一兆円の減少で、国や自治体の税収にも打撃を与えそうだ。
経常損益の減額幅が大きいのは、自動車を含む輸送用機器(六兆六千四十億円)と電気機器(五兆五千七百二十億円)。〇八年三月期はこの二業種で全体の約三割に当たる約十兆円の経常利益を稼ぎ出したが、今期は合わせて約一兆五千億円もの赤字となり、全体の足を引っ張りそうだ。
減額幅は、資源価格の影響を受けた化学(一兆二千六百億円)、石油・石炭(一兆五百億円)などでも大きかった。石油・石炭や、旅客数が落ち込んでいる空運は赤字。
雇用情勢の悪化や株式など資産価格の下落により消費の冷え込みも顕著になり、小売業も減益となりそうだ。
ただ、厳しい環境下でも、全体の7・7%にあたる百社弱が過去最高益を更新する見通しだ。居酒屋チェーンのワタミなど低価格を武器にした企業の健闘が目立つ。
新光総研が東証一部上場(金融除く)で三月期決算の千二百二十八社を対象に、十七日までに出そろった会社公表の業績予想を集計した。