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2009年02月17日(火) 00時00分

地域に開かれた集合住宅 立川読売新聞

玉川上水への通路開放 カフェ・催事スペースも
建設が進む集合住宅。レンガ敷きの歩道の先の雑木林周辺に玉川上水がある

 立川市柏町4に、地域に開かれたユニークな賃貸集合住宅が建設されつつある。高い塀やオートロックで閉ざされた従来の集合住宅と異なり、住民や地域の人が集えるカフェやホールの機能を備え、玉川上水への通り道も開放する。

 この集合住宅は、多摩モノレール玉川上水駅から徒歩9分の立地にあり、周囲を玉川上水や畑、一般住宅などに囲まれている。敷地面積は約2600平方メートル。鉄筋コンクリート造りの2階建てで、ワンルームタイプの35平方メートルの部屋(賃料8万円)から、95平方メートルの部屋(同16万5千円)まであり、15世帯が居住できる。国立音大が近いことから、全戸に防音室を備えている。

 「玉川上水沿いという立地やケヤキを生かし、地域に役立ちたかった」と、施主の農業青木英司さん(54)(立川市砂川町)は話す。

 青木さんの住居、事務所となる別棟には大きなリビングがあり、コンサートや展覧会を開くスペースとして開放する。また、集合住宅の玉川上水側の一室は段差がないバリアフリーのカフェとして営業する予定。

 営業時間中は上水へ通じるレンガ敷きの道を、自由に通り抜けてもらえるようにする。4月にはオープニングイベントを予定しているという。

 設計したのは、建築家で東大大学院准教授の千葉学さん(48)。夢のある建物を建てようとする施主を募集した雑誌の企画を通して知り合った。千葉さんは「建築家としても、このような志のあるプランに携われることはなかなかない」と喜んでいる。

 多くのマンションなどで採用されているオートロックや高い塀はないが、「防犯で一番大事なのは人の目。過剰に囲っている家の方が危ない。誰が住んでいるか分からない状態とは違い、街にとっても住む人にとっても安心」と千葉さんは強調する。

 入居は3月から。家族向けの広い部屋が若干残っている。問い合わせは、タカギプランニングオフィス((電)03・3560・1861 http://www.t‐p‐o.com)へ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090217-OYT8T00010.htm