石原慎太郎東京都知事の肝いりで設立され、経営再建中の新銀行東京(新宿区)は十七日、重大な注意義務違反があるとして、
記者会見した
七月の都議選を控え、民主党や共産党など野党は、銀行創設を公約に掲げた石原知事の責任も追及する姿勢を見せており、十八日から始まる都議会が紛糾する可能性もある。
新銀行によると、仁司氏らに責任があるとされる損害額は調査開始時で百十二億円に上り、一月末には百三十三億円に増加。今後、訴訟準備を進め、賠償額を決める。また仁司氏が取締役を兼務していた当時のほかの取締役七人に報酬計数千万円の自主返納を求める。
新銀行は昨年三月、仁司氏ら旧経営陣に経営悪化を招いた責任があるとする内部調査を公表し、法的責任の追及について弁護士事務所に調査を委託。事務所は二〇〇五年四月の開業から仁司氏が辞任する〇七年六月までを中心に調べた。
事務所の報告では、仁司氏は危機的なデフォルト(債務不履行)状況なのに抜本的対策を講じず、融資拡大路線を継続してデフォルトを拡大したとし、丹治氏は必要な進言をしていなかったとした。
都についても、適切な監視をしていなかったと指摘したが、「新銀行からの情報提供が限定されていた」などとして旧経営陣の責任を軽減する理由にはならないとした。
丹治氏は「提訴されれば、内容を整理し準備したい」としている。