【ナイロビ17日共同】世界的に深刻化している水銀汚染問題で、オバマ米政権がブッシュ前政権が反対していた法的拘束力のある水銀規制条約の制定について賛成へと政策転換したことが、17日分かった。ケニアの首都ナイロビで開催中の国連環境計画(UNEP)管理理事会の非公開会合で米国代表が16日、法的拘束力のある国際条約の制定を主張した。関係者が明らかにした。
同理事会では水銀汚染防止に向け、国際的な規制枠組みについてどのような決定が行われるかが焦点。条約制定には、既に欧州連合(EU)諸国などが賛成。中国やインドなどは依然として条約制定に反対しているというが、条約制定に向け大きな前進といえそうだ。
米国はこれまで、各国の自主的な取り組みで対応できると主張。非政府組織(NGO)などが「米国が条約制定の障害となっている」と批判してきた。
米国の有力NGO「水銀政策プロジェクト」のマイケル・ベンダー代表は共同通信に「米国の変化で中国やインドも今後、主張を曲げざるを得ないだろう」と期待を示した。