ヒラリー・クリントン米国務長官と17日、米国大使館で面会した北朝鮮による拉致被害者家族会のメンバーら。長官が「米国としても優先すべき問題」と発言したことに家族らは「今度こそ進展を」と期待をかけた。
面会には横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(76)と母早紀江さん(73)、田口八重子さん=同(22)=の兄で家族会代表飯塚繁雄さん(70)の3人が出席。
面会後に会見した飯塚さんらによると、過去に撮影されためぐみさんと田口さんの写真を長官に見せながら、「家族を取り戻すには米国の協力が欠かせない」などと訴えた。長官は拉致について「残酷で理解できない状況だ」とした上で「解決のため(北朝鮮に)どう圧力をかけていくか検討したい」「(家族会の)運動をぜひ続けてほしい」などと応じた。
面会は約30分。ほとんどの時間が家族の訴えに費やされ、米国の立場の説明には慎重な言い回しが目立ったという。それでも滋さんは「長官は拉致問題を忘れていないと強調していた。米国に協力してもらうことが大きな力になる」と期待をかけた。