夜明け前の大阪府高槻市の路上で女性に抱きつきけがをさせたとして、強制わいせつ致傷罪に問われた自営業の男性(44)の判決で、大阪地裁は17日、「犯行時間帯には自宅で寝ていた」とアリバイの成立を認め、無罪を言い渡した。求刑は懲役4年だった。
男性は捜査段階から無罪を主張。判決理由で中里智美裁判長は「同じ部屋で寝ていた家族に気付かれずに家を出るのは容易ではない」と述べた。
また、被害女性が犯人を識別できたかについて「周囲は暗かった上、犯人の顔を見た時間は短い」と疑問視。警察が示した複数の写真から男性を選んだことについても「男性だけ隠し撮りされた写真で、犯人であるよう誘導した可能性を否定できない」と指摘した。
男性は昨年3月16日午前5時15分ごろ、高槻市の路上で帰宅途中の女性に後ろから抱きついた上、押し倒してひざに軽傷を負わせたとして、起訴された。
男性は判決後、「捜査のずさんさに憤りを感じる」と話した。