山梨県内の県立高校や障害児学校の教職員でつくる「山梨県高等学校・障害児学校教職員組合」(甲府市)は17日までに、組合員から手当の寄付を募り、集まった計60万円を経済状況の厳しい生徒に奨学金として支給することを決めた。
全日本教職員組合(全教)によると、雇用情勢の悪化を受け、教職員の手当を原資にして組合が経済支援を行うのは全国で初めてという。
組合によると、支給対象は県内の全日制の公立高校31校に通う経済状況の厳しい生徒。各校2人以内で60人前後を想定しており、早ければ今月下旬に1人につき約1万円を支給する。組合では、教務主任や学年主任に支給される「主任手当」の一部を寄付するよう呼び掛けていた。
組合の佐藤弘執行委員長は「派遣切りなどで貧困が生徒の家庭を直撃している。わずかな金額だが役立ててほしい」と話している。