岡山県倉敷市議が公費で旅行した東北地方への視察の実態は観光旅行だったとして、倉敷市民オンブズマンが当時の議員15人に計約160万円を返還させるよう伊東香織市長に求めた訴訟の判決で、岡山地裁は17日、「行政視察に名を借りた観光旅行だった」として、全額を返還請求するよう市長に命じた。
近下秀明裁判長は「観光名所を転々と巡るパック旅行と同じ」と指摘。「視察先の具体的な調査が行われた形跡は全くない」と述べた。その上で市議による視察は「故意による不法行為をも構成する」とした。
判決によると、一行は2006年8月、秋田県と山形県を訪れ、武家屋敷などの観光名所を巡って花火大会を観覧。最上川下りなどに参加した。
伊東市長は「主張が認められず残念。判決を詳細に検討し今後の対応を考えたい」とのコメントを出した。