戦時下最大の言論弾圧「横浜事件」の第4次請求の再審初公判が17日、横浜地裁(大島隆明裁判長)であり、有罪判決を受けた元被告(故人)らが特高警察による当時の取り調べについて証言したビデオが上映されるなど激しい拷問の実態が法廷で再現された。
大島裁判長は、事件の記録が紛失していることについて「(裁判所が)不都合な理由から証拠を廃棄したと推認され、遺憾」と表明、司法の責任にも言及した。
弁護側が無罪判決を、検察側が有罪、無罪の判断をせずに審理を打ち切る免訴判決をそれぞれ求めて即日結審する。
4次請求は、「共産主義を宣伝する論文を雑誌『改造』に掲載した」などとして、終戦直後に治安維持法違反罪で有罪判決を受けた元「改造」編集部員の故小野康人さんの次男新一さん(62)と長女斎藤信子さん(59)が請求した。
ビデオでは、小野さんとは別の元被告が「竹刀をばらし、体中を殴られるなどの拷問が3カ月以上続いた」と語った。