神奈川県鎌倉市の市医師会が設立した産科診療所「ティアラかまくら」が17日、開院した。2月中は外来診療と妊婦健診のみで、3月から分娩を扱う。
日本医師会によると、医師会独自で産科診療所を開設するのは全国で初めて。新たな取り組みとして注目を集めそうだ。
開設のきっかけは2006年秋、市からの「お産施設ができないか」という相談。市内には分娩を扱う医療機関が最近まで1カ所しかなく、07年度に市内で生まれたのは、出生者全体の約3割。市民から「地元で安心して出産したい」との要望が市に多く寄せられていた。
医師会は昨年5月、早期の産科診療所設立に向け市と協定を締結。運営や医師の人員確保は医師会が担い、市は運営費などを補助するほか、トラブルや訴訟への対応について積極的に支援することが協定に盛り込まれた。
ベッドは8床で、通常分娩を扱う。産科医3人、助産師9人と看護師3人が常勤。