東証・大証1部上場の鉄鋼2次製品メーカー「日亜鋼業」(兵庫県尼崎市)の約束手形が偽造され、昨年7月から東京や大阪の金融業者に持ち込まれていることが17日、分かった。
同社が把握した偽造手形は32通で額面総額は約9億円。被害は報告されていないという。同社は昨年10月、容疑者不詳のまま有価証券偽造容疑で兵庫県警に告発、受理された。
同社によると、出回った手形の振出日は昨年7月22日から10月1日で、額面は8000万円から315万円。手形番号は同社が管理する番号と一致せず、振出人欄の印影も異なっていた。受取人欄には同社とは取引のない東京や大阪、九州の企業や個人の名前があったという。
一方、「支払場所」には同社が実際に使っている尼崎市内の銀行支店名が記載されていることから、同社は「本物の手形を入手して偽造した可能性がある」としている。