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2009年02月17日(火) 00時04分

英仏の核搭載原潜が接触 放射能漏れや負傷者なし中国新聞

 【パリ16日共同】フランス国防省は十六日、英国とフランスの核兵器搭載原子力潜水艦二隻が数日前に北大西洋の海中をパトロール中、接触事故を起こしていたと発表した。双方とも乗組員に負傷者はなく、放射能漏れなどは起きていない。同日の英大衆紙サンなどが事故を報じていた。

 フランス紙リベラシオン(電子版)は「原潜が同じ深度をほぼ正対して航行していたとみられる」と指摘。大惨事につながった恐れもある危険な事故だったと強調した。

 フランス国防省によると、衝突したのは潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント」を搭載する英海軍の原潜バンガードと仏海軍の原潜トリオンファン。低速航行中に接触し、トリオンファン側は前部にあるソナー関連機器が破損した。

 英BBC放送は英原潜の船体にへこみや傷が確認できると伝えた。

 フランス海軍は六日「トリオンファンが海中で物体に接触した」と発表していた。

 サンによると、事故は今月三日か四日に起きたとみられ、両艦には計約二百五十人が乗り組んでいた。英海軍当局者は同紙に「(衝突が大規模なら)放射能漏れの可能性があった。われわれは乗組員と核弾頭を失っていたかもしれない」と語った。

 フランス国防省は「作戦の有効性や原子力の安全性に疑問を差し挟む事故ではない」としている。

 報道によると、接触事故後、フランスの原潜はフランス西部ブレスト近くに、英原潜は英北部ファスレーンに帰港した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902170090.html