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2009年02月17日(火) 21時29分

中川財務相一転、辞任前倒し 後任に与謝野氏東京新聞

 中川昭一財務相兼金融担当相(55)は17日夜、麻生太郎首相と官邸で会い、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)閉幕後、もうろうとした状態で記者会見した問題の責任を取って辞表を提出、受理された。中川氏は同日昼の記者会見で辞任する意向を表明していたが、時期は2009年度予算案と関連法案の衆院通過後としていた。首相は中川氏の後任に、与謝野馨経済財政担当相(70)を兼務で充てる辞令を交付した。

 中川氏が一転して辞任を17日に前倒ししたのは、政府、与党が週内の通過を目指す09年度予算案審議への影響を最小限に抑えるため。民主党など野党はこれに先立ち即時辞任を求め、中川氏の問責決議案を参院に提出し、辞任するまで審議を拒否する方針を決めていた。中川氏の辞任劇は、いったんは続投を指示した首相の迷走ぶりを際立たせる結果になり、政権の一層の求心力低下は必至だ。

 首相は17日夜、記者団に「ご本人が熟慮し厳しい決断をされた」と、中川氏の自発的辞任を強調。その上で「仕事に関しては優秀な人を選んだと今でも思っている。ただ、任命した責任は私にある」として自身の任命責任を認めた。政権への影響に関しては「特にない。予算がいかに早く上がるか、それがすべてだ」と述べた。

 中川氏は辞表提出後、官邸で記者団に「今日の衆院予算委員会の審議状況を見て、自分が辞めた方が国家のためになると判断した」と述べた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009021701000604.html