【上海17日共同】中国の地方政府が日本の商品券のような「消費券」を相次いで配布している。金融危機の影響が懸念される観光地を抱えた地方が多いのが特徴で、旅行客の呼び込みで消費を喚起するのが狙いだ。
中国政府は4兆元(約54兆円)に上る景気対策を打ち出したが、四川大地震の復興など公共事業が柱。観光地に恩恵が及ぶわけではなく、効果が出るまでに時間がかかるため、即効性を期待して各地で独自に乗り出したようだ。
西湖で知られる浙江省杭州市は、地元で利用できる100元の消費券を同市に近い上海市などで21日から配布する。富裕層が多い上海の消費者を呼び込む目的という。広東省広州市では航空会社や旅行会社など民間が中心となり、55歳以上を対象に100元の消費券20万枚を配布している。
消費券をめぐっては、昨年後半から四川省成都市などが日用品などが購入できる消費券を市民に配布し、地元経済に一定の効果があったと評価された。