業績が悪化しているパイオニアは17日、2010年春の定期採用を実施しない方針を明らかにした。同社が定期採用を見送るのは、記録を取り始めた1983年以来、初めてという。
電機業界では、このほかJVC・ケンウッド・ホールディングスや、ソニーの生産子会社ソニーイーエムシーエス(東京)も10年春の新卒採用を見送る方針。
パイオニアは不振が続いていたテレビ事業からの全面撤退などに伴い、国内外で従業員約1万人を10年3月までに削減する計画をまとめた。新卒採用の見送りもこの一環。09年4月の入社が決まっている大卒や大学院修了見込みの計約130人については、予定通り受け入れる。
JVC・ケンウッド・ホールディングスも早期退職者を580人募集すると発表している。
日産自動車やホンダも採用を絞り込むことを公表しており、世界的な景気低迷を受けた業績悪化で電機、自動車を中心に製造業で新規採用を大幅に圧縮する動きが鮮明になっている。