モバイルチップアーキテクチャを手がけるARMは、IBMの32ナノメートル(nm)High-kゲート絶縁膜とメタルゲートを組み合わせた技術をベースとした初のプロセッサとなる「Cortex」プロセッサを発表し、デモンストレーションを行った。完全な製品化は2010年初めを予定しており、省電力で多機能を実現すると同社は語っている。
デモ用のプロセッサはバルセロナで開催中のGSMA Mobile World Congressで現地時間2月16日に披露された。ARMによれば、協力企業はすでに同技術を利用した開発に取り組む用意ができているという。
ARMのモバイルソリューションマーケティング部門のJames Bruce氏は、ZDNet UKの取材に応えて、「われわれに最初のテスト用金型が戻ってきたのは文字通り3日前のことだ。パートナー企業は32nm技術を利用した最初の開発を今にも始めていることだろう」と語った。
このチップは、ARMのCortexプロセッサデザインと2004年に買収したArtisan Componentsから獲得した「Physical IP」プロトタイプライブラリを組み合わせたもので、テストチップはIBMの「Common Platform」をベースにしている。
Bruce氏によると、32nm製造プロセス技術を利用した最初のシステムオンチップ(SoC)製品は2010年に登場する予定だという。同技術の長所として、消費電力の若干の改善は現行のモバイルチップデザインと比較しても明らかだと、同氏は語った。
「システム全体で消費電力はおそらく5から10%削減される。しかしそれだけでなく、より高度な統合が得られる。つまり1つのチップにより多くのトランジスタを載せられれば、より高性能なパーツが得られることになる」と、Bruce氏は言う。
「多くのことができるし、改善もされる。たとえばより良いグラフィックスが得られるといったことだ」とBruce氏は説明し次のように語った。「まずハイエンドなものを実現できれば、次は一般市場にむけて展開できる」
ARMはやはり16日に、パートナー企業から出荷された同社のアーキテクチャを使った携帯電話向けプロセッサが100億基にのぼることを明らかにした。
同社によると、2008年に出荷された平均的な携帯電話でARMベースのプロセッサが2基使用されており、一部のスマートフォンでは4基から5基使用されているという。(CNET Japan)
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