17日辞任した中川昭一財務・金融相について、各国メディアは大きく報じた。
【ローマ=松浦一樹】先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の開催国で、問題の“震源地”となったイタリアでは、主要メディアが中川氏辞任を一斉に速報。主要紙は、「政治統治能力が失われた今の日本を象徴」(レプブリカ紙)、「日本人は常に真剣、清廉、厳格だというイメージが崩壊した」(ジョルナレ紙)などと論評した。
【ソウル=浅野好春】韓国の各メディアは、中川氏について「記者会見でのデタラメ発言で物議をかもした」人物と紹介。通信社の聯合ニュースは「日本の景気が急激に悪化する中、景気対策を陣頭指揮すべき重要閣僚の辞任で、経済的に少なからぬ余波が及ぶと憂慮される」と指摘した。
【ロンドン=大内佐紀】英国のザ・タイムズ紙はネット上に東京支局長のブログを掲載。「世界第2の経済大国が最悪の危機を迎える中、中川氏には(国を)率いることが出来なかった」として辞任は当然との見方を示し、麻生首相の任命責任や、財務官僚の補佐能力にも疑問符をつけた。
【ワシントン支局】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は17日、「支持率低下に悩む麻生首相の新たな挫折」と指摘。ニューヨーク・タイムズ(同)は、次期総選挙での与党敗北の可能性に触れた。
【台北=源一秀】中川氏は、台湾との関係強化を目指す超党派議員連盟「日華議員懇談会」の主要メンバーで、台湾では辞任を惜しむ声が上がった。総統府筋は「長く台日友好に尽くしてもらっただけに残念」と話した。