ヒラリー・クリントン米国務長官(61)は17日、東京都内のホテルで読売新聞と単独会見し、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」(射程4300〜6000キロ)の発射準備の動きを見せていることについて、「挑発的であり、有益ではない」と強く非難した。
その上で、「日本を防衛する」と述べ、日本に対するいかなる攻撃も抑止する姿勢を明確にした。
クリントン長官はまた、「目的がどうであれ、ミサイル発射の断念を促す」と言明。これまで、北朝鮮の核問題を巡る6か国協議で話し合われてこなかったミサイル問題を同協議で取り上げ、北朝鮮に絡む懸案を拉致問題も含めて包括的に解決する意欲も示した。
一方、クリントン長官は、日本の民主党が、在日米軍再編に関する合意の見直しを求めていることに関して、「責任ある国家は、合意に従うものだ」と述べ、合意の履行を求めるとともに民主党の出方にくぎを刺した。
日米関係については「強固な日米のパートナーシップなくして成功することは想像もできない」と強調。「日本国民がだれに統治してもらいたいかは、日本国民の決めることだ」としながらも、「政治的にどのような将来が控えているにせよ、日本とのパートナーシップをさらに深く、広げていくことを期待する」と語り、日本側の政治に変化があっても、協力関係を維持していく方針を示した。
クリントン長官はまた、「日本は世界における責任ある国家」と評価し、気候変動対策や中東情勢など国際的な懸案に共に対応することに期待感を表明。金融危機についても「現在の経済危機を脱する方策を見いだす重大な責任を負う」と述べ、共同で対処する姿勢を示した。